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文楽

土曜日は文楽を観に行って来ました。

もともと両親が行く予定のものだったのだけど、父親が風邪を引いて行けなくなったということで、突然だったけれど国立文楽劇場へ。


『近江源氏先陣館』
  和田兵衛上使の段
  盛綱陣屋の段
『艶容女舞衣』
  酒屋の段
『面売り』

というプログラムでした。

開演が11:00で、30分の休憩を挟んで終演が15:30というたっぷりのプログラム。
でもぜんぜん退屈しない。

とくにおもしろかったのは時代物の『近江源氏先陣館』
いろんな人形が見られるし、ストーリーがね。
浄瑠璃なんてまぁ同じような人情話だと思っていたら、話が進むにつれてどんどん2転3転。裏切りとかスパイまで出てきて、おもしろいおもしろい。

世話物の『艶容女舞衣』は、「いかにも」って感じの内容のような感じだったけれど、人形の動きがすごい! 
夫の事を思慕するお園がひとりで独白するシーン、柱に寄りかかったり、縁側に腰掛けたりというひとつひとつの仕草がもう… 人形とは分かっていても、まさに「生きてるよう」なんだよね~。
と一緒にゼミで観に行ったことがあって、終演後舞台裏まで連れて行ってもらい、いろいろ見せてもらったことがある。

舞台の構造を間近で見学させてもらったり、実際に人形を握らせてもらったりと、いろいろとおもしろかったんだけど、あの人形を遣うのってほんとにすごいと思う。
衣装も着せるとかなり重さになる人形を片手でもって細かく動かすだけでも大変だと思うけど、やっぱり持ち方ひとつで人形が生きも死にもするのだよ。
僕が持たせてもらったときも、本職の人形遣いの人が「持ってる」ときは首が座って、背筋もぴんと伸びているけど、素人の僕に渡された瞬間に、もう身体はクタクタになって、ほんとに「ただの人形」でしかなくなってしまう。ちょっと首とか動かしてみようとやってみても、ただ人形を動かしてるようにしか見えない。

でも、「ありがとうございます」と人形を返してプロの人が持ち直したらまたたちどころにシャンとして、少なくとも「立ってる」ように見えるようになる。
そして、「ちょっと動かしてみますね」と、何パターンかの代表的な仕草を紹介してくれると、もう「生きている」ように見えてくる。
もちろん実際の舞台の上では、主遣い、足遣い、左遣いの3人が息を合わせて人形を操り、まるで人形自身が演技しているかに見える。
そう、「本物の人間のよう」ではなくて、「人形が自分で動いて演技してるよう」というほうが僕としてはピッタリくる表現だね、あの動きは。

とまぁ、4時間たっぷりと楽しんできました。
文楽って料金も高くないんだよね、比較的。

歌舞伎なんかは万単位の料金がかかるけど、文楽は何千円の単位の料金で見られるもんね。
それで、太夫、三味線、人形すべて一流のものが見られるし、ストーリーもあって見やすいし。
伝統芸能の中ではとても親しみやすいよなぁ。
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# by haschiken | 2007-11-04 22:20 | 日々
いっぱい買った
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一部衝動買いも含むが…

いろいろ勝っちまったぜ。


バラを狙うよりも、セットで勝ってしまったほうが早いや、と判断したのが多数。


詳細は後ほど。
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# by haschiken | 2007-11-03 23:32 | その他藤子F関連
マーラーの『復活』
土曜日はマーラーの交響曲第2番、『復活』のコンサートを聴いてきました。

この曲は、一時けっこうハマったことがあって、いつか実演を聴いてみたいなと思っていたもののひとつ。
1時間半を超す演奏時間の大曲だけれど、終始わかりやすい旋律に溢れているし、構成も「第1楽章で死んだ主人公が、その後過去を回想したり天国へ行ったあと、第5楽章で壮大に復活する」というものでわかりやすく、飽きずに楽しめる曲。盛り上がるところもたくさんあるし、出てくる楽器も多く、さらには舞台外にも別働隊がいる(ステージ裏や客席に潜んでいて、遠くから響いてくるような音を出す)などなど、楽しみどころはたくさん。

藤子ファン的な話をすると、アニメ版エスパー魔美の名作といわれる「たんぽぽのコーヒー」のエピソードの中でBGMとして(たしか第1楽章と第2楽章が)使われてますね。
とくにのびのびとしたメロディの第2楽章を八ヶ岳の風景に合わせたのはなかなかいい効果を出していると思います。
アニメ版エスパー魔美はそのほかにもクラシック音楽が効果的に使われていますね。
原作にも登場する『キージェ中尉』もいずれきちんと通して聴いてみたい曲です。
そういう関係で言うと、のび太が大スキーだというチャイコフスキーの「四季」も興味ありますが。



演奏時間は約100分、飽きることなく楽しめました。
座席が最後列のど真ん中だったので、ステージ上ところ狭しと並んだオーケストラ
&合唱団の全体を見渡すことができておもしろかったですね。
複雑な曲の中で、それぞれの楽器の使われ方を見ることもできたし。

そしてなにより最後の合唱は生演奏ならでは迫力!
それまでオーケストラがさんざん盛り上がった演奏をしていても、やはり人の声が入ると違う凄さがありますねぇ。
こればっかりはナマの響きが別格です。

実は演奏の中ではところどこと音が外れたりというのもあったけれど(難曲らしいしね、マーラーの曲はどれも)、いちいちそういうの気にならないほど良かった。
やっぱりすごい曲だね~。
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# by haschiken | 2007-10-28 22:09 | 音楽
ドラメモ   ~本当にメモだ~
1か月というのはさすがに長いな


わさドラの放送は延々とお休み中。

来週やっと再開されるみたいだけど、なんかもうほとんど生活の中から消えそうだぞ、「ドラえもん」


ということで、ちょこちょこっとメモ程度に。


9/14
・『私のジャックをとらないで』
出木杉のキャラづくりは間違ってます。ああいうのはダメ。
人形の動きがとても「人形らし」かったのがよかった。
なんというか、人っぽく動いてるんだけど、人形の堅さを残してるような動きが表現できていて、コミカルだった。

・『のび太が育てたかぐや姫』
原作からは大きく話が変わっていた。けっこう不評だったみたいだが、僕はアリだと思う。「かぐやロボット」の話じゃなくて、「おはなしバッジ」的なものとしてみればそんなに不自然では無いのでは。オチも予想できたものの、うまく落とせていたと思う。
ただやはりかぐやの顔と声はもうちょっとなんとかしてほしかったな。


9/21
・『おつかいは孫悟空 ぞうきんがけはシンデレラ』
タイトル長いよ…
「マッチ売りの少女」のネタは途中で読めてしまったが、けっこうおもしろかったのでは。

・『のび太仙人になる!?』
「ムハ」を上手にやったなぁ。
修行の種類が増えてたが、ちゃんと考証はしてるんだろうね。



2週とももっともっと突っ込んで書ける内容がある放送だったと思うが、いかんせんこっちが細かいところを忘れかけてるという…
見返す時間もちょっと無いしなぁ。


んでお待ちかねの次回は『台風のフー子』

正直、ピー助とかフー子とかキー坊とかはちょっと食傷気味な気も。
(つーか今気づいたがこの3つ、名付け方が全く一緒だよ。他にもあるか??)

あと予告で出てたフー子の睫毛が長すぎてなんか気持ち悪いッス。
いや、F先生の女性キャラにとって睫毛が重要なのはよく分かってるつもりだが。
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# by haschiken | 2007-10-22 23:54 | アニメドラえもん
チェーホフの劇
日曜は京都府立芸術文化会館へ。
チェーホフの一幕劇を二つ観てきました。

『ぶんげいマスターピース工房』というイベントの一つだったみたい。


こういう、古い名作といわれるものを演じてくれる機会は嬉しいですな。やっぱり「物語」に関しては古典に触れることを忘れてはいけませんから。とくに僕なんかまだまだ観てる数が少ないので。

さて、アントン・チェーホフは19世紀末のロシアの小説家・劇作家ですな。
短編小説や戯曲で有名ですが、僕は名前を知ってるだけで作品を読んだことはありません。ロシア文学って、まずはドストエフスキーとL.トルストイという二大巨人がいるので、どうせ読むならそっちのほうを… と(僕は)思いがちなんだけど、その前後、あるいは同時代のゴーリキー、チェーホフ、ツルゲーネフなんかの作家たちもそれぞれに評価が高くてあなどれません。

まぁとにかくはじめてのチェーホフ作品。
ここ数ヶ月は古典文学はおろか、読書の時間がめっきり減ってしまっているので難しめの話を楽しめるかなぁと一抹の不安を抱えつつ行ってきました。

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# by haschiken | 2007-10-01 00:51 | 日々
読書メモ:『夏子の冒険』
読書メモ:


『夏子の冒険』
三島由紀夫
角川文庫



三島由紀夫のちょっと不思議な青春小説。

二十歳の夏子は男に飽き飽きして、修道院へ入ると言い出したり、その道すがら出会った男の熊狩りについていったり…
という話。

いいところは熊狩りの描写と、母・伯母・祖母のおばさんトリオの描き方だろう。

クライマックスの熊狩りのシーンの緊張感や、途中木こりが熊に襲われるシーンのリアルな残酷さの描写なんかは、「あぁやっぱり三島由紀夫だなぁ」と思えるところ。

そして常に周りの人々をかき回すおばさんトリオも、三島由紀夫によくあるユーモアのパターンだと思う。

青春小説らしく、目標を達成して後の清々しさが印象的。
しかし!
ラスト3行で…

あぁもしやこうなるんじゃと思っていたが、なっちゃったよ…
でもこうでないとね。
やっぱりこのヒロインは魅力的。
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# by haschiken | 2007-10-01 00:00 | 読書
パット・メセニー&ブラッド・メルドー
金曜はNHK大阪ホールへ、パット・メセニー ブラッド・メルドー カルテット ジャパンツアー2007
を聴きに行ってきた。


当代随一のギタリスト、パット・メセニーと21世紀初頭を代表するピアニストと言われるブラッド・メルドー。
(…らしい。最近の演奏者はよく知らないので^^;)
加えて、ベースにラリー・グレナディア、ドラムスにジェフ・バラードというメンバーのカルテット。


前半4曲はギターとピアノのデュオで。
おたがいに複雑なメロディを奏で合う感じの音楽。

そして5曲目ぐらいからベース&ドラムスが参加。
こっからがまた良かった!!
デュオを聴いてたときには、悪くないんだけどちょっと小難しいようにも感じてしまって、これがずーっと続くとしんどいな~と思っていたのだけれど、カルテットが揃うと一気に曲のテンポも上がってゴキゲンに。
手数の多いドラムスがダダダッと入って、ベースがぴったりとくっついていく。そしてピアノとギターが交互に奔放なメロディを…
ということで、これはもう、興奮させられましたね~~。


ドラムスのジェフ・バラードという人は本当に手数が多い。
ブラシとかを使ったおとなしい演奏はあまり無かったけれど、終始存在感のあるプレイ。
ソロのときなんかは延々と素手でドラムを叩き続けたりなんかのパフォーマンスも良かった。

ベースのラリー・グレナディアは縁の下の力持ちって感じかな。
ソロの回数も少なかったけれど、ベースが自己主張しすぎない程度で、いい音色を聴かせてくれた。
今回はピアノとギターの二人を看板にしたツアーだったので、リズムの二人は地味なのかと思ってたら、けっこう印象的な演奏で、いい感じに予想外。しっかしジャズドラムってかっこいいよなあ~。見るたびにいつも思うわ。

ブラッド・メルドーのピアノはとても器用な印象。
深刻で複雑なメロディも、ジャズ特有の高音をコロコロ転がすような演奏も、クラシックっぽいフレーズも、なんでもできますよ~って感じかな。結果として、今回のコンサートでは目立ちすぎず「カルテット」の音楽を作ることに貢献してたような。

そしてパットメセニーは、エレキギター、アコースティックギター、管楽器のようなエフェクトのギターシンセサイザー、ネックが何本もあってさらにはボディにも弦がびっしり張ってある不思議なギター(ピカソギターというらしい)の4つを使っていろんなプレイを聴かせてくれた。


う~ん、ジャズギター、いいわぁ。
管楽器主体のジャズよりも好きかもしれない。
いままであんまり聴いたこと無かった(いま見てみるとギター入りのジャズで持ってるCDは2枚だけだった)けど、気分によってはうるさく感じることもある管楽器よりも聴きやすいし、ノリも抜群にいいし。


とまぁ、素人の感想をつらつらと書いてみたけれど、いいコンサートだった。
客席の雰囲気もいい感じで、最後は8割方スタンディングオベイション。アンコールも3回もやってくれたw 
この内容なら料金は全然高くないぞ、と思えるライブで大満足。

とりあえず4人の名前を覚えといて今後もチェックすることにしよう
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# by haschiken | 2007-09-30 23:09 | 音楽
9/23
朝起きて、はたと気づいたら今日は9月23日だった。


藤子・F・不二雄先生のご命日である。

なんだか去年、少し記事を書いてからそんなに経ってないように感じるのだが、また1年経ってしまった。


あの~、それでこのさい言ってしまいますが、ワタクシ、つい最近までF先生のこと「藤子.F.不二雄」先生だと勘違いしておりました。いろんなとこにこの書き方を使ってましたが、2,3か月前にやっと「藤子・F・不二雄」だと気がつきました。スミマセン…


さて、あらためていくつかの本を手にとってみる。

作品のなかのことばのひとつひとつにグッときたり、ハッとさせられたり。
ある程度大人になって以降は、ストーリー自体のおもしろさはもちろんのこと、作品そのものの人生観、世界観により魅了されているんだよなぁ、とあらためて感じる。

結局、僕が「世の中」をとらえる視点は、『ドラえもん』や『エスパー魔美』、その他一連の短編作品群に大きく影響を受けている。
そういう作家に出会えたのは、やっぱり幸せなことなんだろう。

汲めども尽きぬ泉のようなこの作品群。まだまだ僕の知らない魅力があるに違いない。
一生付き合っていくつもりですよ。

来年ぐらいは、お墓参りに行けたらいいなぁ。
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# by haschiken | 2007-09-24 00:18 | その他藤子F関連
しず&ドラのラジオとか

わさドラブログで告知されていた、かかずさんのネットラジオ、「超輝け! 大和魂!!」を聞いた。


このラジオ、声優交代の一連の騒動の間に存在を知って、それ以降なんとなーく定期的に聞いているのだけど、1年ほど前に大原めぐみさんがゲスト出演していたり、なかなかおもしろい。

わさびさんがノリノリで、
「おすしかな~、チーズケーキかな~」
といったドラえもんネタも聞かれて楽しい。

http://www.onsen.ag/#tue
にて。来週月曜まで。



わさドラブログによれば、わさびさんが出演の舞台も近々新宿であるらしい。
あぁ~、見てみたいなぁ…
もともと舞台経験も豊富だというわさびさんの舞台での演技もおもしろそうだもん。

ついでにドラ関連での舞台と言えば、なんといっても肝付兼太さんの劇団21世紀FOXに興味アリ。
声だけであれだけの演技力を見せる肝付さんがプロデュースする舞台、これもいつか見てみたいなぁ。
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# by haschiken | 2007-09-11 22:38 | ドラえもん
アニメドラえもん9/7
ドラえもん誕生日スペシャル『ドラえもんが生まれ変わる日』

今回はぜひなんらかのレビューを書きたい! と思ったのであらためて全編通してじっくり見てみた。
何度も途中で止めたくなりながら…


僕は今では、アニメでオリジナルストーリーを作ること自体は悪くないと思っているし、必ずしもすべて原作どおりにアニメをやることはないと思っている。

しかし今回のアニメについては、細かいストーリーやおもしろさ云々以前の問題があるように感じる。


まずひとつめは、最近まで(結果的に)世間をにぎわした「ニセ最終回」との関連だ。
今回のアニメでは、
・ドラえもんの製造段階での欠陥
・それによるトラブル
・ドラえもんがのび太との想い出の記憶を失いかける
といった例の「ニセ最終回」をイヤでも思い起こさせるような展開になっており、珍しくキツめの対応で決着をし、世間でもそれなりに話題になったわずか数か月後にこんなエピソードを放送してしまう意図がわからない。
「原作のイメージを損ねる」という理由をつけて同人作品にストップをかけておいて、オフィシャル版がたいして変わらないものをやってるのはなんとも理解に苦しむし、あの「ニセ最終回」が好きな人たちには「今回のアニメよりあの同人作品のほうがいい!」なんてことを言い出す人が多そうだ。
僕自身は、あの「ニセ最終回」のネット上での蔓延ぶりに辟易していたので、藤子プロ側の対応は嬉しかったのだが、その記憶も新しいうちにこういうことをやられると非常に混乱する。このタイミングでこういうものをやったのは、オフィシャル版が同人版に媚びたようなかたちになっているようにしか僕には感じられなかった。


しかし、これはタイミング的な問題であり、それさえなければ(つまり「ニセ最終回」騒動がなければ)ある程度は「アリ」だったかもしれない。
だが今回のストーリーにはさらに問題がある。
前回の記事でも少し触れたが、このストーリー展開は、『ドラえもん』という作品におけるひとつのタブーを破ってしまってはいないだろうか。


そのタブーとは何か。
しずか、スネ夫、ジャイアンの3人を22世紀へ連れて行き、セワシと対面させ、あまつさえセワシにしずかのことを「おばあちゃん」と呼ばせてしまっていることだ。

原作マンガにおいては、未来世界を見たことがあるのは出木杉ただ1人であったように記憶している。
さらに、作品中では「のび太の過去」、「のび太の未来」が描かれることは多くても、それらはいわゆるレギュラーの3人と共有されることはまず無い。(「のび太の過去・未来」のなかでの登場人物として描かれることはあっても、だ)
しずかは将来自分がのび太と結婚するなど小学生の段階では夢にも思っていないはずだし、したがってしず、スネ、ジャイの3人はドラえもんがなぜのび太の家に来たのか詳しくは知らないはずだ。
このことは『ドラえもん』という作品において非常に重要なのではないかと僕は思っている。
つまり、「大長編において大人たちの力を借りない」といったようなものと同じような暗黙のルールだったのではないか、と。

『ドラえもん』ではタイムトラベルネタはありふれたもののように思えるが、実は個人的な「過去」や「未来」の扱いはかなりデリケートなものだったのではないだろうか。
とくに「のび太の未来」というものは、ある意味「のび太のために作られた未来」(ドラえもんとの協力や、のび太自身の努力によって)であって、他のキャラクターを巻き込むべきものでは無いように思うのだ。作品中で描かれる「のび太の未来」というのは結局は「その時点での可能性としての未来」なわけだから、しずかやスネ夫たちには別の「可能性としての未来」が存在する可能性があるんじゃないか。

相変わらずの言葉足らずで申し訳ないのだが、要するに、「自分や、身の回りの人々の将来を知っているのはのび太だけ」という状況は作品においてとても重要で、安易に破ってしまうべきものではないと思う、ということ。


今回のアニメでは、のび太がはじめにドラえもんの出生を語るシーン、セワシのことをぼかした説明をしていて、そのときはひと安心と同時にうまくやったな、と関心したのだが、その次の展開で全く無意味になってしまった。
セワシが何者であるかをぼかしてしまったゆえに、しず・スネ・ジャイはどこの誰かよくわからない少年といっしょに「ドラえもんを助け出す」という大冒険をするという不自然な展開になってしまっている。(さらにはしずかは「おばあちゃん」と呼ばれてしまう)
そのあたりを何もなかったかのように流してしまうのはちょっと…


さらに突っ込んで個人的な意見を言えば、もう『ドラえもん』において「未来」を描くことと「ロボットとしてのドラえもん」を描くことはやらないほうがいいんじゃないか、と思う。

「未来」はさっきから言っているように、実は原作において手がかりとなる描写が極端に少ないうえに、そのときどきにおいてさまざまな描き方ができてしまうため、描けば描くほど作品世界にブレが生じてしまう。

「ロボットとしてのドラえもん」については、確かにドラえもんは「ロボット」なわけだけれど、それは単に「設定上そうなっている」だけのこと。
そもそも日本人のほとんどが、「ドラえもん」というキャラクターを、メカニックな意味での「ロボット」としては認識していないんじゃないだろうか。ドラえもんはQ太郎(オバケ)やデンカ(宇宙人)、ポコニャン(不思議ないきもの)などと同じように「少し不思議な存在」でじゅうぶんなはずだ。
そこへ無理やり「ロボットであること」をことさら強調して「改造」だの「ロボットと人間との社会的な差異(今回で言えば、「所有物」や「製造物」として見られる視点)」を取り入れたストーリーをつくるのも、これまた本来の作品世界とのズレが生じると思うのだ。
(こういうテーマは『鉄腕アトム』に任せておけばいい。)


以上の観点から、今回のアニメは僕にとっては「おもしろいおもしろくない」以前に『ドラえもん』としての破綻を感じてしまう、ショッキングなものだったと言わざるをえない。
ストーリー自体はそれほどつまらないものではなかったようにも思うのだが…


以下、細かいところで感じたことを拾ってのひとこと感想;

・パワえもん
う~ん…
クロえもんとかシロえもんとかも出てきそうだなぁ…

ドラえもんズを使わないのはある意味当たり前なので、作り出されたキャラ、ということなのだろうけど、結局どうなのよ?? たとえば彼を出さずとも、キッド(たしかT.P.隊員だったので今回の話にも合う)を含めてあと2人ぐらいのドラえもんズを使っても問題ないんじゃない? っていうストーリーだったのでねぇ。
ただ、オチこぼれ集団のドラえもんズではなくて、バリバリのエリートキャラを作った、というのは効果的と言えるかも。

・Fワールド
ドラえもんとパワえもんとの決闘シーンで、ドラえもんのポケットから出た道具が、わけわからんのばっかりだったので、「あぁ、こういうとこでも原作離れか…」という気持ちに。しかし後からゴンスケのバーテンダーが出てきたり、Pマンそっくりのロボットが出てきたりとサービスもあり。

・ドラえもんの型番
MS903、ってwikipediaにも載ってたけど、今回の新たな設定だよね??
しかしロボットで「MS」といわれるとやっぱり思い浮かぶのは「モビルスーツ」ではなかろうか。「MatsuShiba」の頭文字ってことらしいが。(なんか携帯電話みたいw)

・クラス会の様子
黄色いドラえもんだらけ。
脇役とはいえ同じのがうようよいるのはなんか変な感じ。
ノラミャーコだけが体型、色ともに全然違うのが不思議なので、ここは身体の色ぐらいもっとバリエーション持たせてもよかったかも。

・のび太が語るドラえもん誕生エピソード
おおむね「2112」を踏襲。F先生最後の公認設定なので当たり前か。
しかしネジが抜けた原因にドルマンスタインが描かれなかったのは… ま、タイミング的に近すぎたり、いろいろだろうね。僕も描かないほうに賛成。
前に書いたように、セワシのことを「ドラえもんをほしがる人」とぼかしていたのは(この時点では)評価高い。

・ドラえもんが誘拐されてからのセワシ
あまりにも消極的。(ひいひい)おばあちゃんにも怒られる。
「2112」を見た世代としてはあまりに不自然だ。あの映画ではセワシとドラえもんのあいだには、のび太とよりも長い期間をいっしょに過ごした想い出があり、深い絆があることが描かれているのだから、誘拐されても取り乱しさえしないセワシはやはり違和感がある。ただ、原作だけを見ればセワシとドラえもんがどういう関係だったのかはけっこう謎なのも確か。
実はドラえもんのことを「道具」として見ているのでは? という解釈も可能かな、とは思うが、今回のアニメはそういう考証なんてせずに、単に「ひたむきなのび太と対比するためのキャラ」としてしか使われていないな。
セワシのことが全然描けてない、今回。

・捜索願にはのび太のサインが必要
???
なんで??
ドラえもんの持ち主はあくまでセワシなんじゃないの? とくに必要なシーンとも思えないし、どういう意図があったのか。

・真っ先にゲーセンへ向かうジャイ&スネ
おい、おまえら何しに来たんだよ。
というか、この描き方はジャイ&スネの2人に対してあまりにもかわいそうじゃないか?

・ノラミャーコのいるキャッツショー
なんか小屋の外観が…
あまり上品なショーをやってるようには思えなかったぞ。裏口の雰囲気とか。
イメージとしては20世紀初頭のヨーロッパの場末にありそうな踊り子小屋みたいな感じがした。
ノラミャーコさんの活躍の仕方はちょうど良かったと思う。

・ドラミ
せっかくだから1万馬力設定を活かしてもっと暴れてほしかった。それこそアトムみたいにやってくれてもよかったのに、と個人的;には思う。

・クライマックス
ここもよくわからない。
最後、のび太は引き下がったが、あれで納得したということ?
同じくドラえもんの心中はどうだったの?? できそこないの自分のせいでのび太がダメになる、と「自信ぐらつ機」状態だったのか、単にのび太を安心させるためだったのか???
工場長はそれを見て改心???? え、結局どこに心を動かされたの?????
なんかすべてちぐはぐな感じ。



もういちどまとめた意見を言うと、ストーリーの出来自体なら、そこそこにおもしろいうものにはなっていたとは思う。
同人誌や、あるいはむかしの併映作品(ドラミ&ドラえもんズ)などでサイドストーリー的に扱うのであれば悪くないかもしれない。
しかし、レギュラーアニメ本編として放送することには僕は抵抗を感じずにはいられない。今回はそういうものだった。



あ、あとエンディングもいろいろあったね。

・えかきうた
いきなりの復活!
アニメ本編を見終わって、いろいろと感じることが心中渦巻いていたときにふいに懐かしいイントロが聞こえビックリ。
すんげえ唐突。ま、いいと思うけど。

・『緑の巨人伝』声優公募
ま~タレントよりはマシかな。でもキー坊とかの重要キャラはやめてね。「同級生1」とかそのレベルのキャラにとどめていただきたい。逆にその程度のキャラに公募した子どもたちの声を使うのはとてもいい試みだと思う。

・次回予告
かぐやちゃん登場~!!
しかもなんかえらく大人っぽくなっちゃってないかい!? ちょっと楽しみだけど、なんかストーリーもかなり変わっちゃってるようにも見える。
うむむ…
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# by haschiken | 2007-09-10 01:41 | アニメドラえもん
   

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