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スコシフシギなドイツ文学!?
読書メモ。
アーデルベルト・フォン・シャミッソーの『影をなくした男』です。 池内紀 訳 岩波文庫 ドイツロマン派を代表する作品ということらしいけれど、僕はドイツ文学専攻したくせにロマン派はゼミでほとんど扱わなかったこともあり、知りませんでした。 100頁ほどの短い作品だけれど、とってもおもしろかったですよ。 ストーリーも起伏に富んでいるし(後半部分は若干唐突な気もしたけれど)、話自体をさまざまなふうに解釈できて、いろんな読み方が楽しめる物語。 それだけで十分おもしろいのだけれど、今回あえて特筆したいのは、物語全体に漂うスコシフシギ感! なんか、もう、すごーく藤子な雰囲気が漂っていて、そこんところがツボでした。 ちょっと紹介しますと… 主人公ペーター・シュレーミルは、まぁとくに珍しくもない男ですよ、登場した時点では。 そのシュレーミルがとあるお金持ちのお屋敷を訪ねたときのこと… 彼はそこで、ポケットの中から、望遠鏡やら絨毯やら馬やら、なんでもほいほいと取り出すドラえもんみたいな男に出くわすのです。 なんとその男が言うには、それだけでなく、「どんな錠前でも開けられる魔法の鍵」やら、「絶えず持ち主に戻ってくる金貨」やら「ひろげるだけで食べたい料理が手に入るナプキン」やらを持っているそうで、まさにドラえもん状態。 で、主人公シュレーミルはその場で、そのドラえもん男から相談を持ちかけられます。 それは 「好きな道具をひとつあげるから、あなたの影を売ってくれませんか」 というもの。 さぁ、あなたならどうします? 僕だったら… やっぱりフエール銀行が欲しい… で、シュレーミルの考えも似たようなものだったらしく、 「いくらでも金貨がでてくる袋」 と引き替えに影を売り渡すことにしてしまいます。 するとドラえもんみたいな男は、主人公の足下にひざまずき、(挿絵を見ると)「かげきりばさみ」みたいな道具を使って影を切り取り、クルクルと丸めて持ち去っていってしまいました… さて、この「影」とは何だったのか? この後主人公はどうなるのか?? はこの小説の核心部分なので、これ以上なにも語らないことにしますけど、どうです、これ? 単に、 「ポケットからいろんな道具を取り出す」 という表面的な設定が似てるというだけでなく、影をチョキチョキきりとってクルクル丸めるなんていう、とても漫画的な発想・描写の方法に、「何かドラえもん的なもの」を感じて、小説の筋以外でワクワクしてしまいましたw 軽い気持ちで影を売って、そのあとどうなってしまうのか? っていう描き方も、「スコシフシギ感」がたっぷりだしねぇ。 主人公が紆余曲折のあと、「一歩で七里を移動できる靴」を手に入れるシーンがあるんです。 最初は喜ぶんだけど、そのうち不便な点に気がつくんですよね。 すなわち、一歩で七里も進んだらせっかくいいところへ行ってもそこにとどまることができない、という。 さぁ、そこで主人公はどうしたか? なんと! その靴の上にスリッパを履く、ということで対応しちゃいました。 おまえはのび太か!! と言いたくなるようなお手軽な発想ですよね~。 いや~、でもこの「お手軽感」。ドラえもん好きとしては何かたまりません。 さらに、シロクマに出会った時にはそのスリッパを投げつけて攻撃しといて、そのスキに逃げ出す、でもずっこけて氷の海にザブン… も~、たまらなくおもしろい。 …という、ちょっと変わった読み方のできる小説です。おすすめw ※ いちおう強調しておきますが、なにも「ドラえもんに似ている」ことだけがおもしろい理由じゃないですよ。 上にちょっと書いた、 「『影』をどういうものとして捕らえるか」 によって、いろんな読み方が出来る、深い物語です。 『影』。 「自らの過去」? 「自らの足下、足がかりとなる祖国的なもの」? 「普通の人間なら誰もが当たり前に持っているなにか」?? 本当にいろんな読み方ができますよ。
by haschiken
| 2006-10-05 22:23
| 読書
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